女性は50歳前後に「閉経」を迎える。閉経とは、卵巣の活動が徐々に低下して、最終的に月経が停止することである。一般に12ヶ月以上月経がないと、閉経とされる。更年期とは、この閉経をはさんだ約10年間をさす。
更年期には心身両面に不調が現れるが、多くは病気との関連はない。こうした様々な症状が出ることを「更年期障害」という。
エストロゲンの低下で現れる様々な症状
更年期障害で現れる症状は、以下の3つに分類される。
①自律神経失調症状
のぼせやほてり(ホットフラッシュ)、発汗、悪寒、冷え、動悸、共通、息苦しさ、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまいなど、主に体に現れる症状。
②精神症状
イライラする、怒りっぽくなるなどの情緒不安定、抑うつ気分などが多くみられる。
③そのた
腰痛や関節痛、吐き気や食欲不振、皮膚の乾燥感やかゆみ、頻尿や陰部の不快感など、人によって様々な症状が出る。
これらの症状の現れ方や程度には個人差がある。ただ、急にカーッとなって火照って発汗する「のぼせ」や「ほてり」は非常に特徴的な症状で、比較的多くの人にみられる。しかし、すべての人に症状が出るとは限らず、中にはほとんど気にならないという人もいる。
更年期障害でこうした症状が現れる原因の一つは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌の変動・低下である。
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| 日本産科婦人科学会ホームページより |
エストロゲンの分泌は40歳頃からゆっくりと減っていき、閉経前後にガクッと下がる。
また、ホルモン以外の別の要因も更年期障害に影響を及ぼす。
それが心理的・社会的要因である。更年期は、女性にとって人生の節目とも言える時期と重なりやすく、子供の自立や親の介護、配偶者や自分の定年退職などの大きな変化が多く、心身ともに強いストレスに晒されやすくなる。こうした変化が症状を誘発したり、悪化させたりすることがある。
ホルモン補充療法で症状緩和
更年期障害の原因は、エストロゲンの分泌低下なので、薬でエストロゲンを補うと症状を改善できる。これを「ホルモン補充療法(HRT)」という。
ホルモン補充療法では、エストロゲンだけを長期間使用すると子宮内膜症や子宮体がんを起こす危険があるため、子宮がある人には必ず、子宮内膜の増殖を抑える黄体ホルモン(プロゲステロン)の製剤と組み合わせて使う。更年期障害だけでなく、脂質異常症や骨粗鬆症の予防・治療など、多くのメリットがある。
