女性ホルモンとがん


月経困難症の原因となりやすい子宮内膜症だが、実は、子宮内膜症は不妊にも何らかの影響があると考えられている。詳しい関係はまだわかっていないが、不妊患者の半数近くに子宮内膜症が認められている
また、子宮内膜症では「卵巣チョコレート嚢胞」ができやすくなる。これは、子宮内膜が卵巣内で発生し、古い血液が溜まってチョコレートのような塊になった状態である。殆どは良性だが、まれに卵巣がんに進行するものがあるので早めに治療することが大切である。

「卵巣がん」の原因はホルモンではなく、排卵によって傷ついた卵巣の上皮が修復される過程で細胞に異変が生じ、がん化すると考えられている。妊娠・出産の経験がない人ほどリスクが高いため、早期発見には、内診や超音波検査などを受けることが勧められる。

子宮体がんと乳がんはエストロゲンの影響をうける


子宮のがんは、できる部位によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」にわけられる。このうち、女性ホルモンの影響で発生するのは子宮体がんである。
女性ホルモンのうち、エストロゲンには子宮内膜を増殖させる働きがあるが、プロゲステロンは、子宮内膜の増殖を抑える。子宮体がんはこの2つのホルモン分泌のバランスが乱れ、エストロゲンの作用が強まり、子宮内膜が異常に増殖することが原因と考えられている。

乳がんも女性ホルモンの影響を受けやすく、約7割はエストロゲンによってがん細胞が増殖するタイプである。初潮が11歳以下と早かった人や、閉経が55歳以上と遅かったり、初産が30歳以上、あるいは出産していないといった人はエストロゲンの影響を受ける期間が長く、乳がんのリスクが高いといえる。