妊娠中の喫煙と飲酒のリスク


タバコの健康への影響については、がんや呼吸器疾患など多数あるが、特に妊娠中の喫煙は母体だけでなく、胎児の発育に悪影響を及ぼす。
喫煙すると、タバコに含まれるニコチンによって、血管の収縮が起こり、胎盤への血流が減少してしまう。胎児は胎盤を通じて栄養や酸素を供給されているため、血流が低下すると、胎児の発育が妨げられるのである。

妊婦がタバコを吸わなくても、受動喫煙が胎児に影響をあたえることもある。
受動喫煙とは、喫煙者が吐き出した煙や、火の付いたタバコから立ち上がる副流煙を吸い込んでしまうことである。妊婦が受動喫煙の影響を受けると、低出生体重児が生まれやすいという報告が多数ある。そのため、妊婦の近くでは喫煙しないように、周囲の人が配慮することが大切である。

妊娠中の喫煙本数と児の性別、出生時の体重、平均値及び標準偏差
平成22年乳幼児身体発育調査(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/73-22.html

妊娠中の飲酒は知的障害児の確率が高まる


飲酒もまた喫煙同様、胎児に大きな影響を及ぼす危険がある。妊娠中に飲酒の習慣があると、知的障害や発達障害を伴う「胎児性アルコール脳症(FAS)」の子供が生まれる可能性が高くなる。飲酒による影響のうち、奇形は妊娠初期の飲酒と、発達遅延や中枢神経系の機能不全は妊娠末期の飲酒と深い関わりがあると言われている。また、飲酒と喫煙の両方があると、その危険度はさらに高くなる。

これ以下なら飲んでも良いという安全量の目安がないため、妊娠中は禁酒するのがベストである。


妊娠糖尿病


妊娠糖尿病とは、妊娠前は糖尿病ではなかったのに、妊娠中に慢性的に血糖値が高くなる状態のこと。原因は、胎盤から分泌されるホルモン。妊娠中には胎児の成長を促すホルモンが分泌され、その影響で血糖をコントロールするインスリンの働きが低下する。また、つわりで食生活が乱れたり、不規則な時間に食べたりすることでインスリンの効きが悪くなり、糖尿病を招きやすくなるのである。
妊娠糖尿病では胎児が育ちすぎて巨大児となり、発達が未熟になる傾向がある。