低出生率の現実と海外での改善例


日本は長く「少子高齢化問題」が取り沙汰されている。その発端は2005年の「合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)」が1.26と過去最低を更新したことによる。

このまま少子化が続くと、2060年には日本の人口は8674万人にまで減少し、1年間に生まれる子供の数は、現在の半分以下の50万人を割ると予測されている。一方で高齢化率は約40%に達すると予測され、将来、経済成長や税収、社会福祉の悪化につながると危惧されている。

平成28年版 少子化社会対策白書 概要版(内閣府)


少子化の要因は晩婚化・晩産化


日本で少子化が続く背景には様々な問題が絡んでいる。その一つに、結婚に関する意識の変化があげられる。日本ではかつて特別な理由がない限り、結婚することが当たり前という意識があったが、近年ではその傾向は薄れている。そのため高年齢になっても未婚の人が多く、結婚を選択的行為として考える人が増えている。若い世代には結婚離れが広がり、特に経済的に厳しい状況によって結婚を敬遠する人が増えている。

更に結婚している場合でも共働きが多く、子供を産み育てることが困難と考えている世帯が増えている。また、1人目の子供を産んでも「保育所の待機児童問題」などもあって、2人めの出産をためラルケースも増えている。このことから、少子化の問題の解決には、国民が結婚して子供を産み育てたいという希望を叶える支援が必要不可欠であろう。


海外はどのようにして出生率を改善させたのか



出生率上昇に成功したフランスとスゥエーデンでは、婚外子を容認しやすい理由もあるが、養育手当などの経済的支援や育児制度を充実させることで第一子の出生年齢が早くなった点が、最大のポイント。若い世代が安心して出産し、育てられるシステムが功を奏したといえよう。

フランス:合計特殊出生率の推移と家族政策



  • フランスの合計特殊出生率は、1993年に1.66まで低下した後、2012年までに、2.00まで回復した。
  • 過去、家族手当等の経済的支援が中心。1990年代以降、保育の充実へシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い選択ができるような環境整備、両立支援を拡充する方向で政策が進められている。


スウェーデン:合計特殊出生率の推移と家族政策



  • 1930年代、合計特殊出生率が世界最低水準(1.7)にまで落ち込んだ際に、政府は人口問題審議会を設置して人口問題に取り組み、世界に先駆けて子育てに係る経済的支援策等を導入。その後、経済的支援策の拡充、育児休業制度の導入、保育の質の向上等が図られている。
  • 近年、合計特殊出生率が1999年に1.50まで低下。改めて様々な施策が講じられ、2012年には1.92まで回復した。


参考:
内外の少子化対策の現状等について(平成26年7月18日:内閣府)