産後2~3週目ごろから1年くらいの間に発症するうつ病を、産後うつ病(産褥期うつ病)という。決して珍しい病気ではなく、産後の女性のおよそ10.3%にみられるとされている。
厚生労働科学研究費補助金 (成育疾患克服等 次世代育成基盤研究事業)
http://www.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h23/17004B180.pdf
産後は、女性ホルモンの分泌量が急激に変化するため、心身のバランスを崩しやすくなる。多くの女性が、出産直後にふさぎ込んだり、気持ちが不安定になったり、涙もろくなったりといった変化を経験する。
こうした上体をいわゆるマタニティブルー、専門的にはマタニティ・ブルーズという。出産直後から10日後くらいの間に起こるもので、長くても1週間程度で自然と治まる。
一方、産後うつ病は、うつ病の一種で、専門家による対処や治療が必要な病気である。産後うつ病を発症すると、育児や家事ができなくなったり、不眠になるなど、生活に支障をきたす。重症の場合には、自殺や心中を図る危険性もある。子供とのスキンシップが不足したり、適切なケアができなくなったりするため、子供の発育にとっても重大な影響をおよぼすものである。
産後うつ病の治療でまず大切なことは、十分な休養である。家族や周囲の人に協力してもらい、育児や家事の負担を減らす。こうした環境調整だけで症状が改善することもある。一人で育児の悩みを抱え込まないためにも、地域の保健所などの育児支援を利用したり、父親が育児休暇をとってさぽーとするとよいだろう。
月経前にうつ病のような症状がでることも
女性ホルモンは、月経の前後にも分泌量が大きく変化する。そのため月経前にイライラする、気分が落ち込む、頭痛がする、腹痛がするといった症状が現れる女性は少なくない。
アメリカ精神医学会の分類DSM-Vでは、このような月経に伴う症状が毎月現れ、それが日常生活に大きな支障を及ぼす場合を、月経前不快気分障害(PMDD)といううつ病の一種としている。