はじめよう減塩



厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、1日にとっても良い食塩摂取量の目安は、男性は8g未満、女性は7g未満と設定されている。

日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

世界標準であるWHOの定めた食塩摂取基準である5g未満よりも多いが、歴史上塩分を多く摂取してきた文化をいきなり変えるのは現実的ではない。
減塩は無理なくできる範囲で、長期的に続けていくことが重要でなのである。
しかし、すでに高血圧と診断されている人は、心臓病や脳血管疾患などの進行を防ぐために、高血圧治療ガイドラインでは1日食塩摂取量は6g未満と厳しめに設定されている。

減塩のコツは調味料や具を工夫する


調理の際の減塩のポイントは以下の4つである。

①調味料は毎回計る
調味料には塩分が多く含まれている。目分量で使うと、つい使いすぎてしまいがちである。調理する際は、計量スプーンや計量カップを使い調味料を量ってつかうことが重要である。

小さじ1あたりの塩分量
食塩 ....................5.9g
米みそ(淡色辛みそ) 0.7g
しょうゆ(濃口) .....0.5g
ウスターソース ........0.5g
トマトケチャップ .....0.2g

日本食品成分表2015(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm

また、調味料そのものを減塩タイプに変えるのもオススメである。昔はまずいものも多かったが、最近のものは塩分量を減っているが味はそんなに変わらないよう工夫されて作られている。
いわずもがな、塩分量が減っているからといって多く使っていいものではない。毎回量らなくては意味がない。

②酸味、辛味、旨味を活用して味付け
調味料の代わりに素材の風味を利用するのも良い。例えば、料理にレモンやすだち、酢などの酸味や、故障や唐辛子などの香辛料の辛味を利かせることで塩分を抑えても料理の味わいにアクセントが付く。みょうがや生姜、わさびなどの香味野菜を使ったり、カツオや昆布、煮干しからとった出汁を使えば、塩分控えめでも美味しく食べられる。
塩味は舌で感じるというのを覚えておけば、味付けの方法も自ずと変えられる。
すなわち、食材の表面に味をつければいいのである。
煮物のであれば、含み煮よりも煮っころがしにしたり、薄味で煮てから煮汁に片栗粉でとろみをつけ材料に絡ませる、これだけ塩分は抑えられる。
焼き物であれば下味はつけず、焼きあがったとところに調味液をかける。
刺し身も、表面に少し醤油をつけ、つけた部分から舌にのせるとよい。

③汁物は具だくさんにする
スープや味噌汁など、汁物は塩分が多く溶け込んでいるため、取りすぎないようにしたい。そこで、野菜をふんだんに使い一杯あたりの汁の量を減らすとよい。

④麺類のスープは飲みきらない
麺類は麺そのもにも塩分が含まれる。スープも全て飲み干してしまうとかなりの塩分量になる。意識して残すように


減塩を長続きさせるコツ


減塩はもちろん大事である。しかし、なにもかも薄味にしてしまうと物足りなく感じてしまい続かなくなる。減塩を続けるためには、味のメリハリが重要である。
そこで、何か1品に濃い味を集中させる。特に、自分の好物の味はそのままで他を塩分控えめにするのである。好きな料理が美味しければ食事の満足度が維持でき、減塩が続けられるのである。


塩分で決まる将来の血圧


面白い研究を紹介しよう。
若い頃から塩分を摂りすぎていると将来、早い段階で病気を招くというものである。
1日14gの食塩を30年間、計153kgとった場合と、1日8gの食塩を30年間、計88kgとった場合では、30年後の血圧に差が出るという予測ができ、その差が脳血管疾患や心筋梗塞のリスクを高めてしまうのである。

Lancet. 2002 Dec 14;360(9349):1903-13.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12493255
PMID: 12493255