睡眠を妨げる病気として代表的なのが、睡眠時無呼吸症候群である。文字通り寝ている間に何回も呼吸が止まる病気である。英語では Sleep Apnea Syndrome といって、頭文字をとって SASと呼ばれる。日本の潜在的な患者は200万人以上と推定されるが、実際に治療している人はその1割程度。
睡眠時無呼吸症候群の人は睡眠中、平均して1時間に5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる。無呼吸の間は脳が低酸素状態になるので、そのたびに脳が防衛的に目覚めて呼吸が再開される。そのため熟睡できず睡眠不足になってしまう。睡眠不足が続くと、日中の耐えられないほどの眠気や、倦怠感、頭痛、うつ状態が出現してくる。日常の生活に支障が出ることもある。居眠り運転によって交通事故を起こすリスクが上がるというデータもある。
また、重症化したまま放置していると、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率が、健康な人の3倍になるというデータもある。
| Cumulative percentage of individuals with new fatal |
Lancet. 2005 Mar 19-25;365(9464):1046-53.
http://www.sleepstrip.ca/docu_pdf/long-term_cardiovascular_out_comes_in_men_with_obstructive_sleep_apnea.pdf
PMID: 15781100
日中眠くてしようがないひとは睡眠外来へ
睡眠時無呼吸症候群の治療のために受診した人は、家族などに大きないびきを指摘されて来たというのがほとんどです。
いびきの悩みは、睡眠専門外来のほかに呼吸器内科や耳鼻咽喉科、精神科で相談すると良い。いびき以外に、日中の耐えられないほどの眠気や倦怠感、寝ている間の呼吸困難感、夜間頻尿といった症状も睡眠時無呼吸症候群のサインである。
これらの症状は自分でも気づくことができる。思い当たる症状があれば早めの受診を心がけたい。
持病が多い人ほど不眠になりやすい
布団に入ると足がムズムズして眠れなくなるレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)や睡眠中に足がピクピク動き覚醒してしまう周期性四肢運動障害なども不眠の原因となる。うつ病や女性ホルモンの変調薬の副作用が不眠を引き起こすこともある。また、生活習慣病、逆流性食道炎、がん、パーキンソン病なども不眠につながりやすい。
これらの病気の数が多いほど、睡眠に関する問題を抱えている。