得するダイエット、損するダイエット



損するダイエットは筋肉まで落とす


BMIが25.0以上の肥満がある人は、生活習慣病予防のため、ダイエットに取り組み減量することが必要である。しかし、この減量=ダイエットについて、間違った取り組みをしている人がおおくいます。

例えば、短期的に体重を落とそうとして「食事を抜く」「糖質や脂質を摂るのをやめる」など、極端な方法を選んでしまう人がいる。これでは、かえって痩せにくくなったり、痩せてもリバウンドしやすくなってします。

また、上記のようなダイエットは除脂肪体重(LBM)まで減らしかねない。

除脂肪体重とは、体脂肪を除いた体重のこと。つまり、筋肉や、骨、臓器や体内の水分など生命維持に必要な部分の重さである。筋肉のもとはタンパク質、骨のもとはカルシウムであるから、極端な食事制限でこれらの栄養素の摂取量が減ると、筋肉量や骨量まで落とすことになる。
生命維持に関わる部分まで落としてしまうと、体調不良や病気の原因になる。

除脂肪体重(LBM)=体重-(体重×体脂肪率/100)

いいダイエットは、体脂肪を減らすダイエットである。それには、必要な栄養素はきちんと摂取し、今まで摂りすぎた分を減らすこと、そして、摂ったエネルギーは運動してしっかり消費することである。


無理なダイエットで脂肪肝になる


肝臓に脂肪がたまる脂肪肝は、肥満によって起こるものだが、無理なダイエットからおこることがある。それは、極端な糖質、およびタンパク質の制限によるものである。

糖質の摂取不足により、筋肉のタンパク質が分解されて生じたアミノ酸が肝臓に送られブドウ糖を合成し、それによって中性脂肪の合成が盛んになる。中性脂肪は、コレステロール、リン脂質などの脂質やタンパク質と結合して肝臓から血液中に送り出され、各組織に移送されるが、タンパク質の摂取不足があると肝臓内の脂質を血液中に放出することができず、肝臓に肝臓に中性脂肪が蓄積し、脂肪肝を招く。


得するダイエットは1ヶ月1kg減量を目指す


体脂肪は、1kgあたり7000kcalに相当する。7000kcalを運動で一度に消費しようとしたり、極端な食事制限によって削ろうとするのは非現実的である。
1ヶ月1kg減くらいのペースで小さな工夫を積み重ねながら少しずつ減らすのが得するダイエットである。

①朝と夜の1日2回、体重を量る。
まずは、自分の体重が、普段の生活で何の影響を受けて増減しているかを知ることが大切。それには、朝と夜の1日2回、同じタイミングで体重を量り、その日の食事内容や、生活の様子を振り返ってみよう。
繰り返すうちに「最近飲み会が多いせいで体重が増えている」「最近ジムに通っていない」など、体重増加の要因がわかるようになってくる。逆に「ひと駅歩くようになって、体重が減った」など減ったことが実感できるとモチベーションが向上する。

実際に、体重計に乗る回数が多いほど体重が増えにくく、減りやすいという研究報告もある。
Oshima Y,et al.Obes Res Clin Pract. 2013 Sep-Oct;7(5):e361-6.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24304478
PMID:24304478

体重計は、100g単位で計測できるデジタル式が良い。できれば体脂肪率や骨格筋率、BMIなどが表示される体重体組成計がベストである。
また、体重計を冷蔵庫の前におき、冷蔵庫を開ける前に体重計に乗るなど置く場所を工夫して、減量の意識を高めるのも良いだろう。

②1日約240kcal減の食事を
自分の体重の大凡の変動がわかってきたら、今度は食事内容を変えていこう。
1ヶ月体脂肪1kg=7000kcal減らすには、1日240kcal減の食事を1ヶ月間、毎日続ければよいのである。1日240kcalだけなら、意外と無理なく減らすことが可能である。

間食の頻度や内容をまずは見直したい。菓子の食べ過ぎにより摂取エネルギーが増え、肥満の一員になっていることが少なくない。1日に何度も菓子を食べるのは控え、スナック菓子や洋菓子よりは、乳製品や果物などを選ぶのが良いだろう。食物繊維の豊富なイモ類を使ったおやつでもよい。焼き芋や砂糖やバターを控えめにしたスイートポテト、さつまいもや山芋の茶巾絞りなどは、腹持ちもよく間食にぴったりである。
アルコールもカロリーが高いので、少し減らすだけで、減量効果はかなり上がる。

そのほか献立を低カロリーな料理に変えるのも一つの手である。これにはよく食べる料理のエネルギー量を大まかに知っておく必要がある。持ち運びしやすいカロリーブックなどを1冊用意すると便利である。

約240kcal減の献立例

  • ハンバーグ定食→さばの味噌煮定食
  • カツ丼→鉄火丼
  • カルボナーラ→きのこスパ



女子栄養大学出版部「毎日の食事のカロリーガイド」

③夕食は早めにとろう。遅いときは軽めに。
夜遅い時間や、寝る直前に食事をすると日中と違い、動いてエネルギーを消費することができない。さらに寝ている間も消化器官を働かせ、負担を増やしてします。できるだけ早めに夕食は摂るように心がけよう。

ただ、早い夕食は寝る前にお腹が空いてしまいがちである。できればそのまま寝てしまうのがよいのであるが、どうしても我慢できないときは軽めの食事をしても良い。野菜スティックや野菜スープ、低脂肪のヨーグルトなど低カロリーなものがオススメである。食べ過ぎにももちろん注意していただきたい。

④歩く時間を増やそう
食事改善に加えて行いたいのが運動である。減量には、食事で取ったエネルギーを、毎日きちんと消費することが重要である。つまり、エネルギーの収支バランスを整えるということである。
とはいえ、忙しい現代人、ジムにわざわざ通ったり、きつい運動をする必要はない。1日10分歩くだけで脂肪燃焼効果が期待できるので時間を見つけて歩いてみよう。可能であれば、休みの日にウォーキングなどの有酸素運動を行うと、より効果的である。